第5章 認知の歪曲
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非合理な信念が病的な批評家の理論(第8章 「~すべき」思考)であるとするならば、認知の歪みは批評家が用いる手段であると考えることができる。 歪曲されたし後のスタイルは診断や対処が難しい
あなたの現実の捉え方と密接に結びついているから
歪曲は誤った判断をもたらし、あなた自身が評価する機会を得る前に人や状況に自動的にレッテルを貼ってしまう
認知の歪み
歪曲とはスタイルの問題
歪曲そのものは信念ではない
9つの一般的な歪曲
より完全な規則が人生に制限を加えるような縮小した世界を創り上げる
科学的方法と真逆
批評家「けっして」「いつも」「まったく〜ない」「誰も〜しない」「皆が」
根拠のない一方的に決めつけたレッテルをすべてに当てはめる
歪曲は規則という形よりもむしろレッテル貼りという形で生じる
批評家のメッセージが外見、業績、知能、対人関係などについて侮蔑的で使い古された文句なら全般的レッテル貼りを疑うべきだ
3. 心のフィルター
フィルターを通して会話の中の否定的な内容だけを取り上げる
批評家がある種のテーマや「失った」「去った」「燃え尽きた」「危険」「不公平」「馬鹿」といった単語を繰り返し使ってくる場合には心のフィルターを疑ってみる必要がある
二分法
分極化が抱える問題は必ず否定的な極に当てはまってしまうこと
批評家から「AかBか」というメッセージ
実際に責任があるか否かにかかわらずすべてのことに対して自分を責めるという歪曲された思考スタイル
最も多く観察可能な症状は常に謝罪すること
自己関連づけの世界ではあなたが世界そのもの
自己関連づけには自己愛的な要素がある
自分と他の人々を比較しだす
e.g. ルームメイトが部屋がひどく狭いという→自分が物をあまりにもたくさん持っていると責められていると思い込む
e.g. 友人が退屈だと言う→自分が退屈にさせていると思いこむ
自己関連付けの大きな欠点は不適切な反応を引き起こしてしまうことである
一つの方法として、誰かがあなたに文句を言ってきたら慎重に注意を向けてみる
この世の全ての人が自分と同じようだと思いこむという歪曲された思考スタイル
自尊心に深刻な影響を及ぼすのは、あなた自身についての否定的な意見にすべての人が同意すると考える傾向が非常に強いこと
e.g. 「私が遅れてきたので彼は静かなのだ。彼は私の遅刻に腹を立てている」
何から何まで自分流に仕切ろうとしたり、あなた以外の誰かに全てを仕切らせようとすること
強迫的に過剰にコントロールしようとする歪曲された思考スタイルは誤った全能感を生む
すべての状況のすべての側面をコントロールしようと必死になる
失敗するとあなたはすっかり我を忘れたように感じてしまう。
憤り、錨、個人的な失敗の感覚を味わい、自尊心は地に落ちる
仕切りに失敗した→あなたからコントロールする力を奪ってしまう
コントロールする力を失うと無力感を抱き、極度の絶望感も生じ、弱々しい憤りや麻痺するような抑うつ感も出てくる
思考全体を避けたり否定したりする
現実や行動の方向性を解釈するために感情に頼る
病的な批評家がもたらした最初の考えを苦痛に満ちた感情を引き起こす思考に変えてしまう
歪曲と戦う
常に警戒を怠らないこと
粘り強く分析していく必要がある
自尊心の低さは短期的な利益をもたらすという事実を忘れないでおくと役に立つ
歪曲された思考と闘うということは、いかに真剣にそれと関わるかといこと
3つのコラム法
この技法は単純ではあるが、この技法を使うことに私見に関わるのは難しい
最初にあなたの反応をすべて紙に書き出す
習慣化すれば頭の中で同じことができるようになる
次の3つのようなコラムを書く
自分に対する語りかけ
病的な批評家がその状況について言ってくることを書く
歪曲
自分に対する語りかけについて検討し、自尊心を貶める歪曲を探していく
1. 過度の一般化: たったひとつの出来事から何にでも当てはまるような一般的、普遍的な規則を作る
e.g. 一度失敗したら、いつも失敗する。
2. 全般的レッテル貼り: あなたの特質について正確に描写するのではなく、自分について述べるのに侮蔑的なレッテルを反射的に用いる
3. 心のフィルター: 否定的な点ばかりに選択的に注意を向けて、肯定的な点を無視する
4. 分極化思考: 物事を城各ろ過で極端に分けてとらえる
e.g. 完全でなければ全く価値がない
5. 自己非難: 実際にはあなたの責任ではないことについて、延々と自分を責める
6. 自己関連づけ: すべてのことが自分に関係していると思い込み、自分をすべての人と否定的に比較する
7. 読心: それが正しいという真の客観的証拠がないのに、他者が自分を嫌っている、自分に腹を立てている、自分を大切にしてくれないなどと思いこむ
8. 仕切りの過ち: あなたはすべての人や全てのことに対して完全な責任があると感じるか、あるいは全くコントロールが効かず、無力な犠牲者であると感じる
9. 感情的決めつけ: 物事はそれについて自分が感じたように存在すると思い込む
反論
自分に対する語りかけへの反論、特に一つ一つの歪曲に対する反論を書いていく
あなたの反論を訴える人を想像するととても役立つだろう
健康的なコーチ
運動好きなら合ってるかもしれない
経験豊富で試合に勝つことを助けてくれるような人物
助言、励まし、毎日こなす健康的なプランを立てて、活力と動機づけを保ってくれる
支えてくれる友人
長年にわたってあなたのことを知っていて、奇妙なところも短所もすべて受け入れてくれる友人
この友人は完全にあなたの側に立ち、理解し、自分でも長所がわからなくなってしまうようなときでもあなたの長所を思い出させてくれる
主張するエージェント
完全にあなたに貢献してくれるエージェント
一日中あなたを褒め称える言葉を発している
あなたはエージェントの肩を借りて泣くこともできるし、エージェントはあなたの自信を満たしてくれる
理性的な教師
厳しいけれども親切で理性的で温かい教師でその人から何かをも学ぶこともできる。
学習と成長の機会
同情心あふれる指南役
年老いた懸命な人
あなたや全ての人間に対する深くて普遍の同情をもっていること
病的な批評家に反論し、二人称であなたに語りかける→一人称で単語を変えてより力強く主張するように書き換える
有効な反論を考えるために考慮すべき4つのルール
1. 反論は力強くなければならない
批評家以上の力で立ち向かわなければならない
身体を使って否定的な思考の流れを遮ることもできる
指を鳴らす
つねる
2. 反論は常に中立的でなければならない
誇張したり控えたりするのではなく、できるだけ事実に基づいたものにすると、自己陳述から独自の判断を取り除くのに役に立つ
3. 反論は具体的でなければならない
何が法廷で受け入れられるだろうか?
事実を検証
4. 反論はバランスのとれたものでなければならない
肯定的な点も否定的な点も含める
反論
1. 過度の一般化
絶対的な単語を使わないようにする
具体的でバランスのとれたものであるというルールに特に注意する
将来について語るのを控える
2. 全般的レッテル貼り
一方的に決めつけるような全般的なレッテルを示す名詞、形容詞、副詞、動詞を探していく
具体的に表現するということは、レッテルは単にあなたの一部分、経験の一部分を指しているに過ぎないことを認識しておくという意味
バランスを取るにはレッテルが当てはまらない多くの部分について述べる
3. 心のフィルター
最も重要なのはバランスをとること
4. 分極化思考
具体的に灰色の部分を描き出す
割合を使う
5. 自己非難
一方的な判断を下すような言葉を粘り強く探し出してバランスの取れた言葉に置き換えていく
6. 自己関連づけ
つねに他者と比較しているのならば、人それぞれで長所も短所もある独自の存在であると強調する必要がある
全ての状況、他者との全てのやり取りがあなたを判断しているといった自己関連づけが起きているならば、世界で起きていることのほとんどはあなたとは何の関係もないことを指摘して反論すべき
7. 読心
読心の習慣があるならば、自分に衝撃を与えて現実に引き戻すために特に強力な反論が必要
最も重要なルールは具体的で正確な反論にすること
明らかな事実に集中する
8. 仕切りの過ち
あなたの人生を現実的かつ実際にコントロールしている点を強調して反論する必要がある
最も重要なルールとは具体的に反論すること
9. 感情的決めつけ
中立的かつ具体的であるというルールに従う
感情に満ち溢れている単語を使わずに反論を創り上げる